2008年03月01日
●ルノワール+ルノワール展@Bunkamura ザ・ミュージアム
金曜日の夜のBunkamuraは、ムードがあります。一週間が終わって、余暇の時間の幕が開く感じ。
エスカレーターを降りて中庭へ。ザ・ミュージアムにて「ルノワール+ルノワール展」が開催中。副題は「画家の父、映画監督の息子 2人の巨匠が日本初共演」。
第1章「家族の肖像」。家族を描いた絵画に焦点を当てた内容。ピエール=オーギュスト・ルノワール「アリーヌ・シャリゴ」は、後の妻を明るい色彩、はっきりとした輪郭で描いていて印象的。「ジャン・ルノワールの肖像」は長髪にリボンを結んでいる。女装趣味?「狩姿のジャン」とジャン・ルノワール「ゲームの規則」は父の絵画と息子の映画を並べて展示。だからルノワール+ルノワール。
第2章「モデル」。画家のモデルになった女性を展示。テーマ設定が明快で、冗長感が漂ういつもの構成とは一味違います。「コロナ・ロマノ、バラの若い女」は豊穣な表情と青が効いた色彩構成なルノワール美人。「読書する少女」は愛らしい。
第3章「自然」。父「風景、ブーシヴァル」子「ピクニック」の舟遊びの様子。父「陽光のなかの裸婦(試作、裸婦・光の効果)」子「草の上の朝食」の木漏れ日の光の中で水浴する女性の描写。相互の表現がオーバーラップする様は、子の目を通して父の世界が再現されるようです。企画の意図にピタリと焦点を当てる展示。
第4章「娯楽と社会生活」。父「ぶらんこ」子「ピクニック」は、動くメディアの利点を活かして子の表現が勝る感じ。溌剌とした表情のアップは特に素敵。父「田舎のダンス」子「恋多き女」。輪郭をぼかしつつもはっきりと感じさせる描写、男性の青い衣装と女性の赤い帽子、女性の手の扇子、打ち解けた表情。空間を凝縮したような描写は本展随一。やはりルノワールといえばピエール=オーギュスト・ルノワール。子「フレンチ・カンカン」。乱舞する色彩。
とても良くできたエンターテイメントでした。Bunkamura ザ・ミュージアムで観た中でベスト。
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