2008年02月01日
●四国の旅 その4 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
そして丸亀へ。目的は「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」。設計は谷口建築研究所。「せとうち美術館」からタクシーで2,540円也。JRでも移動できますが、坂出駅まで戻っても2,140円かかることを考えると、待ち時間なしで移動できて良かったです。
展示は常設展のみ。閉館50分前に滑り込んだので、貸切状態でした。ここで「瀬戸内アートネットワーク・スタンプラリー」のスタンプが三つ(直島、せとうち、丸亀)たまったのでバッチをもらいました。
3階廊下から展示室Bを見下ろす。上部横長窓から望む丸亀の景色。雑然とした足元を消去して、上部のみ切り取って見せます。それを展示室の面として構成することで、外部が展示室に貫入します。変則的な借景の手法。
展示室A。不要な線を消去して、面に純化する美学。左手の扉は高さ3mほどありますが、意外と軽やかに開閉します。
建物正面の大階段を上った先にある「カフェレストMIMOCA」。こちらはお客さんが何組か入っていました。見せたくないものは隠す。駅前の雑然とした街並とは階段を経ることで隔絶、ロータリーの喧騒は屋上庭園に滝を流して消去。落ち着いた雰囲気を形成しています。しかし目隠し壁を越えて高層マンションが顔を出しています。環境を制御するのは難しい。
丸亀駅から眺める駅前広場。屋外彫刻が配され、美術館と一体の駅前作りを目指したことが伺えます。建物も大きなゲート状の囲いでそれに答えます。しかし、大きな壁画は同時に内外を分断します。駅前の賑わいの演出に寄与するであろう飲食施設やライブラリーは、直接見えないところに隠した格好です。
雑然とした周辺環境は隠して、上部の眺めのみを切り取る。開いて閉じて開く構成。美術館としてとても美しい反面、広場に面した在り様としてはどうなのかと気になります。
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lysander様>
こんばんは。
淡々と建築を読んでいくエントリーになってしまいました。
たまにはこういうのも良いかと。