2008年01月28日
●四国の旅 その1 家プロジェクト
「金刀比羅宮 書院の美」の終わりが近い。飛行機のマイルがたまった。そうだ、香川へ行こう!というわけで、1泊2日で香川を旅しました。
まずは直島「家プロジェクト」へ。朝一番の飛行機で高松空港まで飛んで、タクシーで高松港へ。フェリーで直島に上陸して、町営バスで最寄駅の農協前へ。11:14着。乗換時間数分、驚くほど接続が良いです。
「本村ラウンジ&アーカイブ」。設計は西沢立衛さん。「TKG Daikanyama」の内装、「Space for your future」の出展と、大活躍な方です。スーパーマーケットを改装した本計画も、剥き出しの構造体にほっそりとした階段を加え、明るく射す光と植物で柔らかな空間を構成しています。こちらでチケットの購入と、「きんざ」の予約確認をして散策へ。
須田悦弘「碁会所」。室内に散らばる木製の椿、そして見返す庭。名前から「人が集まる場所」を想像していたら、人の居場所は縁側だけで長居するにはちょっとつらい。アートに家を追い出されるような妙な感覚。
宮島達男「角屋」。暗闇の中、水面に揺らめく発光ダイオード。その幻想的な眺めに、扉を開けた瞬間「おおっ」と声が出ました。水戸芸術館の宮島達夫展は絶対行こう。
内藤礼「きんざ」。スルスルと潜り戸を引いて中へ。下部の光スリット、存在感のある土壁。静かに充満する音と、次第に浮かび上がる装置。予約制なので、完全に1対1で作品と向かい合う15分。空間とアートが一体化した、もの凄く濃密な時間。時間の断片を引き出す装置に思えました。
杉本博司「護王神社」。地中へと続くガラスの階段。案内スタッフの方の解説に拠ると、昔は古墳があった(今もある?)という地の記憶を踏まえた地上(神社)と地下(古墳)をつなぐ作品らしい。アートが神の居場所に侵入して良いのか、引っかかります。石舞台古墳も石室を観光地化している訳だし、既に抜け殻の場合は可?引っかかりも含めて作品?美はそれらを凌駕する?
大竹伸朗「はいしゃ」。トタン波板、錆、ガラス、多数のサインやオブジェで内外を覆い尽くした塊。スマートな作りの作品群の中で、そのペラペラで乱雑(に見える)作り、その中に感じるエネルギーは異彩を放つ。古く懐かしい現代アートという感じ。矛盾してますが。
個々の作品も魅力的ですが、普通に町を歩いていてアートに出会う(というか、地図がないと家並みに埋没して見逃しそうになる)感覚が「家プロジェクト」の素晴らしさだと思います。さらに、その魅力に触れるには、実際に行くしかないことも大切。シーズンオフにもかかわらず、何組もの方たちが地図片手に歩き回っていました。
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おひさしぶりです。
今、香川&直島なのですね。
私も2月29日~3月2日行く予定なので
mizさんレポートは予習としてとても
楽しく読ませていただいています。
直島は2日目の午後からなので
その前の一日半は、丸亀・東山魁夷美術館
と栗林公園にも行きたいなと思っています。
では、お気をつけて!
こんばんは
『家』も増えていますね...
私が行ったときは碁会所もはいしゃもありませんでした。
また行きたくなります。
今年こそは直島に行きたい!
ので、参考になります。
建物を捉えるアングルが
毎回上手いなあ と思っています。
Emmy様>
こんにちは。
春の直島&香川は良さそうですね。
2泊3日あれば、どこも余裕を持って観て回れます。
栗林公園の「消える雨戸」は、今回の予定に入れていました。が、初日と金刀比羅にものすごく満足して予定を切り上げてしまいました。
lysander様>
こんにちは。
「家」増殖中です。「はいしゃ」が良いです。南寺が修復中で観られなかったのが残念ですが、それは次回のお楽しみということで。
直島、行きましょう!
panda様>
こんにちは。
直島は大人気ですね。
皆さんで予定を合わせて、オーバル借り切りツアーも夢ではないですね。