2007年12月31日
●世界を虜にしたRimpaと若冲
年末特番「世界を虜にしたRimpaと若冲 知られざる美の系譜を探る!」を見ました。近年再評価が著しい光琳と若冲とはいえ、江戸絵画を取り上げる番組が年末にあるとは驚きです。内容は二人の足跡を、小山力也ナレーション、内山里名ナビゲーションで彩り、間断なく響く音楽で全編を包み込むお祭り番組。年末らしく、豪華な映像美で見せます。
前半は光琳。狩野永徳「聚光院方丈障壁画」が登場したり、舞台がオランダに飛んだりと忙しい。宗達と光琳の「風神雷神図屏風」の揃い踏みは、去年の出光美術館での展示が記憶に新しいところ。宗達は源氏物語、光琳は伊勢物語に惹かれたという一節は、年明けの出光美術館「王朝の恋」の前振りか?と思ってしまいました。意味ありげに映した「燕子花図」の方にもエピソードがあれば良かったのに。
後半は若冲。現代アートとの関係性を前面に押し出しているところが新鮮。村上隆「スーパーフラット」の一節を引用して若冲の空間性について触れ、草間彌生の水玉ワールドを「増殖」というキーワードで若冲と並べます。先の永徳特番では山口晃、千住博が登場していましたが、過去と現代を関連付ける手法として興味深いです。
お祭り番組に相応しく、ホームページには「若冲流掛軸ジェネレーター」なるものが!大好きなハートのフワフワ、カブトムシの角等などを使ってこんなのを作ってみました。
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こんばんは。私も見ました。光琳と若冲をセットで紹介するなど凄いなと思いましたが、意外とまとも(失礼!)な番組でじっくりみてしまいました。プライス氏などお馴染みの方々も健在でしたよね。
>若冲の空間性について触れ、草間彌生の水玉ワールドを「増殖」というキーワードで若冲と並べます。
いきなり草間さんが出てこられたのでびっくりしました。ただあの繋がりは多分違うと思います…。それにしてもHPからして濃いですよね…。
それでは良いお年を!
はろるど様>
こんばんは。
近年話題になった美術展の美味しいところを繋ぎ合わせて作ったような画面、短く印象的なフレーズを繰り返し美声で聞かせるナレーション、そして知的で可愛らしいナビゲーター。テレビは脚色の世界だと思いながら見ていましたが、けっこう面白かったです。ただ、音楽はちょっとうるさかったです。
若冲と現代アートをまな板に並べる捉え方は良かったと思いますが、その先は。。。でした。
良いお年を!