2007年11月05日
●飛雲閣@西本願寺
桃山絵画を堪能した後は、西本願寺へ。ここには秀吉の邸宅「聚楽第」の移築と伝えられる国宝「飛雲閣」があります。今回は御一緒したTakさんが骨を折って下さって、なんと書院と飛雲閣を拝観する許可をいただきました。永徳、等伯と観て、桃山時代の遺構を体験する。ものすごく濃密な一日となりました。
金碧装飾画がそのまま残り、対面所から南能舞台を望む白書院も素晴らしかったですが、ゾクゾクしたのは天正9年造が確定している北能舞台。この当時は狩野永徳が安土城で腕を振るっていた時期にあたり、永徳とこの能舞台は確実に同時代に存在していたことになります。正に歴史の生き証人。
そして「飛雲閣」へ。一階全面に障子建具を回し、唐様と入母屋様の異なる破風を抱く棟。二階建具面には三十六歌仙が描かれた三層の楼閣。長く伸びる軒先が、日本家屋の大屋根を軽妙に見せる違和感。建具を開放すれば、全面開放となる1階。様式を自在に組み合わせて作り出された遊興の場は、まさしく桃山文化の空間。実物を目の当たりにする日が来るとは思いませんでした。少しだけ障子を開けて中を見せていただきましたが、綺麗に手入れされていて保存管理状態は良好。あの座敷に上がって遊びに興じる人々を思いました。
入口となる船着場。ここから入って、一層の座敷に上がったそうです。左は茶室。
国宝「唐門」。こちらは伏見城の遺構と伝えられています。黒地に金の金具、そして色鮮やかな彫刻。失われた桃山時代が、最高に色濃く蘇る一日でした。
京都行きの際して多大な骨を折って下さったTakさんに改めて感謝いたします。どうもありがとうございました!
Posted by mizdesign at 2007年11月05日 12:37
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