2007年10月21日

●フィラデルフィア美術館展

 東京都美術館で開催中の「フィラデルフィア美術館展」を観ました。「オルセー美術館展」、「大回顧展モネ」、「ベルト・モリゾ展」そして本展。今年は「大作家の顔見世展」と「個人を掘り下げる企画展」のバランスが良くて、印象派の世界が広がって楽しいです。今回もMさんの鑑賞会にお邪魔しての鑑賞。毎度御世話になっております。

 「2.印象派とポスト印象派-光から造形へ」。光を捉える魔術師モネの視線が印象的。特に「マヌボルト、エトルタ」。龍が首を下ろして水を飲んでいるような奇岩。前章でブーダンを観せているのが効いています。そして本展の華、ルノワール「ルグラン嬢の肖像」。白地に黒の衣装、少し恥らう表情、一本一本描画された髪の毛。とても可愛らしいです。後期の「大きな浴女」と見比べると、前者の方が断然魅力的。画家の作風の変遷を見せる絵の選択も配慮が細かいです。
 「3.キュビスムとエコール・ド・パリ-20世紀美術の展開」。本展のもう一つの華、アンリ・マティス「青いドレスの女」。赤と黒で大胆に分割され、黄で縁取りされた背景。画面に大きく青いドレス。こめかみに指を当てるポーズ。漫画チックな描線。パワーが凝縮されたような絵。
 「4.シュルレアリスムと夢-不可視の風景」。ジョアン・ミロ「月に吠える犬」。一点しか出ていない大作家の顔見世展示は不思議系が多かったですが、中でもこれ。これが犬なのか!?
 「5.アメリカ美術-大衆と個のイメージ」。モリゾのライバル、メアリーカサット「母の抱擁」。まとめて見てみたい。ジョージア・オキーフ「ピンクの地の上の2本のカラ・リリー」。ミクロな視線がエロティック。

 屋台では「フィラデルフィアバケットサンド」と「スパイシーポテトフライ」が販売中。街っぽくて楽しい。
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 西洋美術館では「ムンク展」。世界遺産になれるか?
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 東京文化会館の輝く天井。前川國男とル・コルビュジェが並ぶ、近代建築の宝庫。
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Posted by mizdesign at 2007年10月21日 12:06
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