2007年08月13日

●インカ・マヤ・アステカ展@国立科学博物館

 上野の国立科学博物館で開催中の「インカ・マヤ・アステカ展」を観ました。NHKとのタイアップも入った展示はエンターテイメント性高めで、日本初公開の遺物がゴロゴロと並んで好奇心を刺激します。その反面、文明の繁栄と滅亡の背景を掘り下げるのは浅め。金曜日の夜間開館に行ったので、気分は「夏の夜の探検隊」。
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 まずはマヤ文明。ポスターにも載っている「ヒスイ製仮面」が目を惹きます。ヒスイの切片を立体的にピッタリと組み合わせて面を構成する高度な技術と、トロンとした目元と作り込みの細かい口元の対比等に観入ってしまいます。「JOJOの奇妙な冒険」に登場した石仮面の元ネタかもと思うと興味倍増。石碑に彫られた、宇宙服にしか見えない人物像もミステリアス。「ククルカンのピラミッド」の春分と秋分に登場するククルカン(羽毛のある蛇)の映像を見ていると、空から宇宙人がやってきて、原住民に知識を授けたのではと思えてきます。
 続いてアステカ文明。こちらは「ワシの戦士」が目を惹きます。更に「ジャガーの戦士」。その実物大(?)な大きさとマンガチックなディテールを見ていると、「ワンピース」のアラバスター編に登場した二人の戦士の元ネタか、更にずっとさかのぼって「バビル二世」のロプロスとロデムかと変な方向に想像が働きます。しかし実際には、生贄を求めて戦争し、流血が日常の世界。森の中の都市といい、想像していくと、今とは全く異なる考え方、秩序で世界ができている様が思い浮かびます。
 そしてインカ文明。人が死んでも風化し難く、放っておくとミイラ化する気候。生と死が対立せず、共存する死生観は驚きです。空中都市マチュピチュといい、謎に満ちた文明です。そもそも、森の中に人口数万人の都市は成立するのか?それは都市と呼べるのか?

 疑問を抱えつつも、「第二会場にお急ぎ下さい」のアナウンスに促されて2階へ。ところがそこは、グッズが山積みの土産物売場。すごい大仕掛けの大物産展にあっけにとられました。さすが現代の企画展、商魂たくましい!

 東京文化会館の夜景を眺めながら飲み会へ。ランダムに吊られた照明が星空のように光って外部に漏れ出すエントランスホール。モダンと現代のコントラストが綺麗。
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Posted by mizdesign at 2007年08月13日 23:30
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国立科学博物館で開催中の世界遺産の宝庫中南米三大文明 特別展 失われた文明「インカ・マヤ・アステカ」展に行って来ました。 数年前に定年退職された... [続きを読む]

Tracked on 2007年08月14日 00:15
コメント

こんばんは。
TBありがとうございます。

あのアナウンスは完全な罠ですね。
スペイン人よりもたちが悪いかと。

Posted by Tak at 2007年08月14日 00:16

お久しぶりです。

このイベント、僕も気になってるのでそのうち行きますよ。

科学博物館は前から好きで、友達と行ったり家族で行ったり、じっくり見たい時は一人で行ったりしてます。

独立行政法人になってから商売っ気が増した気がしますが、同時に華やかさも増したと思います。

国からの補助(つまり国民の税金)が受けられない以上、あの物量を入場料だけで賄うのは無理があるし、現場でいろんなアイディアや工夫が生まれるのは利用者にとっても喜ばしいことですよね。

僕は商売人の息子なので結構良い方法に動いているなと思ってます。

Posted by 柏ニュース at 2007年08月14日 16:13

Tak様>
こんにちは。
閉館迫るときに、後ろ髪引かれる思いで進んでいった先があれだと、「やられたー!」という気分ですね。
山のようにグッズを積んだ会場も、見応えあるといえばありますが。。。

柏ニュース様>
こんにちは。
科博は去年の河童のミイラといい、好奇心を刺激する展示をしますね。
今回はNHKが深く関わっている分、商売っ気も倍増という感じです。
第二会場という言い方には「やられたー!」ですが。。。
入場制限が出るくらい繁盛しているそうですよ!

Posted by mizdesign at 2007年08月16日 07:11
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