2007年07月10日

●パルマ イタリア美術もう一つの都

 国立西洋美術館で開催中の「パルマ イタリア美術もう一つの都」を観ました。イタリア北中部の都市パルマで花開いた美を、ルネサンス期からバロック期へ至る絵画、素描で辿る展示です。

 エントランスホールで本展の紹介ビデオ。パルマといえば、チーズと生ハムという導入から、コレッジョの天井画へ。ドーム空間と一体化して、天へ昇るかのような映像は掴みとして魅力充分。音声ガイドを借りて、観る気満々です。
 II「コレッジョとパルミジャニーノの季節」。ビデオで観た天井画で鮮烈な印象を残すコレッジョが登場。更にパルミジャニーノの登場で一気に黄金期へ。コレッジョ「幼児キリストを礼拝する聖母」の我が子を抱きかかえるような自然なポーズ、チケットやポスターで御馴染みのジョルジュ・ガンディーニ・デル・グラーノ「聖母子と幼い洗礼者聖ヨハネ、聖エリサベツ、マグダラのマリア」、パルミジャニーノ「ルクレティア」の美しくも決然とした表情、「聖チェチリア」のデフォルメの効いたポーズ。展示は前半のクライマックスを迎えます。
 V「バロックへ-カラッチ、スケドーニ、ランフランコ」。カラッチ兄弟(?)「戴冠の聖母(コレッジョのフレスコ画の模写)」のとても可愛らしく美しい聖母の解釈に、非常に現代的なセンスを感じます。そしてバルトロメオ・スケドーニ「キリストの墓の前のマリアたち」。主の復活を告げる天使の白、両手を開きその言葉を受け入れるマリアの黄が、光と影の劇的なコントラストにピタリとはまります。本来あるべき祭壇を離れて尚、この神々しさ。心を掴まれるような感動を覚えます。
 メジャーになりきっていないからこそ可能なのであろう、圧倒的な質と量。絵画にこんなに力があるものかと、観入ってしまいました。

 パルマ展と充実した平常展の二枚看板に加えて、コルビュジェ設計の建物。今夏のイチオシです。
ueno_20070707-1.jpg

Posted by mizdesign at 2007年07月10日 21:37
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コメント

コレッジョのパルマ大聖堂の聖母被昇天の
天上画をぜひ見たいと思いました。

キリストの墓の前のマリアたち、おっしゃられ
るとおり、祭壇の前で見たら、ものすごい
インパクトでしょうね。

Posted by 一村雨 at 2007年07月11日 19:00

こんばんは。パルマ展は立派な展覧会でしたね。西美では「ロマネスク美術の写真展」もやっています。これもなかなかでした。

Posted by とら at 2007年07月11日 21:28

こんばんは。
>。絵画にこんなに力があるものかと、観入ってしまいました。
仰る通り。
画家の名前ではなく
絵画作品そのものの力。
圧倒されそうでした。

四国にパルマ
行きたいとこばかり増え困ります。

Posted by Tak at 2007年07月12日 17:41

こんばんは。
メジャーになっていないからこそ・・・同感です。
予想以上にスケールが大きくて、圧巻でした。
憧れの地イタリアに、パルマという都市が増えました。

Posted by tsukinoha at 2007年07月12日 21:25

一村雨様>
こんばんは。
天井画、観たいですね。
ビデオで観た天に昇るような体験をしてみたいです。
スケドーニの祭壇画は、良く貸し出してもらえましたね。
ルネサンスの奥深さを知る、素晴らしい機会でした。

とら様>
こんばんは。
平常展まで足を延ばす予定が、パルマ展だけで時間切れになりました。
3時間近くあったはずなのですが。。。
近日中に再訪の予定です!
どこも魅力的な展示をしているので、うれしい悲鳴を上げてしまいます。

Tak様>
こんばんは。
ここまで来ると、圧巻ですね。
画の魅力は当然として、ここまで心を掴まれるのは、それだけではないと思います。
傑作を数多く貸し出してくれたパルマの方々と、企画された西美の方々に脱帽です。
本当に、行きたいところが増える一方です。

tsukinoha様>
こんばんは。
前半でポスターの絵やコレッジョを出し尽くしてしまうので、どうなるかと思いきや、真打ちは最終章で登場ですね。
カラッチからスケドーニへの展開は本当に言葉にならない驚きでした。

Posted by mizdesign at 2007年07月13日 02:08

こんばんわ。
今回は「スケドーニ ああスケドーニ スケドーニ」ってくらい、あの色彩が鮮明に脳裏に焼き付いてしまいました。

Posted by あおひー at 2007年07月16日 00:12

あおひー様>
こんにちは。
前半のコレッジョ、パルミジャニーノ、中盤のファルネーゼ家の人々、そして後半のカラッチ、スケドーニと、企画展三回分くらいの内容を圧縮した密度は圧倒的でした。
そのクライマックスのスケドーニは、本当に「ああスケドーニ」ですね。
絵画の力って凄いなと思いました。

Posted by mizdesign at 2007年07月17日 10:33
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