2007年05月15日

●若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会 その2

 展示は第一展示室へと続きます。目玉展示というべき内容がゴロゴロと続くところが今回の展示の凄いところです。

 新発見!若き日の若冲筆「厖児戯帚図」(画面奥)。その前で熱く語る学芸員の村田さんの話に聞き入る参加者の方々。
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 振り返れば若冲、若冲、若冲。多分世界で一番、若冲密度の濃い空間でしょう。この濃さは、この場所に行かないと伝わりません。
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 「動植綵絵」デビューのきっかけとなった「毘沙門天立像」(右)と、「動植綵絵」が飾られる「観音懺法」が行われた「円通閣」の消失にまつわる奇跡「円通閣棟札」(左)。片や秘仏、片や後世二度と開かないよう厳命された秘宝。これらの公開からも、相国寺の本展にかける熱意が伝わってきます。
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 「鹿苑寺大書院障壁画 葡萄小禽図床貼付床の間」と「違い棚」。空間を感じるという点で、「動植綵絵」と「釈迦三尊像」全33幅と並ぶ本展の白眉。本当に観られて良かったです。
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 現代的センスに満ちた奇想の魅力と、歴史的な古刹の魅力がガッチリとかみ合って、多くの人に観てもらいたいという主催者の熱意に満ちたこの展示。その充実度は、他に比較するものが思い浮かばないくらいに凄いです。
 6/3までと期間が短いのが玉に瑕ですが、昔は年に一度の「観音懺法」の日にしか飾られなかったことを考えれば、20年分の公開を一度に集めたという解釈も成り立つでしょう。その千載一遇の機会に、恵まれた環境で鑑賞できたことに感謝の念が絶えません。どうもありがとういございました。

Posted by mizdesign at 2007年05月15日 23:30
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コメント

こんばんは。
「秘仏」あけてしまってよかったのでしょうか?
なんだかそれだけが心配で。。。

Posted by Tak at 2007年05月17日 19:12

こんにちは。
先行プレビューでご一緒させていただいた者です。
本当に贅沢な空間ですごさせていただきました。ブログを読んでその昔は年にたった一度の公開だったと知りました。
実はあの後、どうしてももう一度観たいといういても立ってもいられない気持ちから16日に東京から日帰りで「若冲展」だけを観るために行ってきてしまいました。
ゆっくりじっくり観れて満足しました。
遅ればせながらですが、トラックバックさせてください。

Posted by nenet at 2007年05月18日 11:04

こんにちわ。
ようやく行ってこれました。
かなりの混雑でやはり初日に行くべきでしたね。
でも、あれだけ見れたらもう大満足です。

Posted by あおひー at 2007年05月20日 10:54

Tak様>
こんばんは。
開けて良かったかは、僕も思いました。
でも「徳川の世ではない」ということで公開を決断したという話は説得力があり、主催者側の熱意を感じました。

nenet様>
はじめまして。
コメントとTBありがとうございます。

日帰りで再訪ですか!
そんな話を聞いていると、こちらまで再訪したくなります。
本当に見応えありました。

あおひー様>
こんばんは。
なんか京都へ行くのが当たり前に思えてきました。
恐るべし若冲、そしてブログ効果(笑)。

でもそれだけの価値はありますね。

Posted by mizdesign at 2007年05月21日 01:41
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