2007年02月20日

●ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展

 太田記念美術館で開催中の「ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展」を鑑賞しました。キャッチフレーズは「北斎晩年の傑作「龍虎」100年ぶりに出会う」。平日にもかかわらずけっこうな人の入りで、普段の下駄箱は使わずに土足のまま展示室に入るようになっていました。

 印象に残るのはやはり葛飾北斎「雨中の虎」と「龍図」のペア。ビゲローコレクションの「李白観瀑図」を思い起こさせる垂直に流れ落ちる雨に打たれ、右上を見上げて唸る虎。黒雲の中から姿を現し、爪を立てて睨みを効かせる龍。絵の間に漲る静寂と緊張感を、畳に座して観る一時。他所では味わえない愉しみがあります。

 北斎は他にも、流れる水が木の根のような「諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝」、妖艶な鳳凰の元ネタのような「雉子と蛇」といったアクの強い作品が並び、楽しませてくれます。「千絵の海」が展示替えで観られなかったのは残念ですが、またの機会を待つことにします。

 広重も印象的な絵が並びます。月を背景にとてもバランスよく三羽の雁が舞う「月に雁」、輪郭線を描かず凹凸で表現された「太蘭に白鷺」。木曾街道六十九次から特に叙情性の高い「須原」、「洗馬」。中でも「月に雁」がダントツに良かったです。

 会場を一周して島状の石庭で休憩。少々混んでいましたが、ゆとりある舞台装置は抜群に良いです。
harajyuku_20070216-1.jpg

Posted by mizdesign at 2007年02月20日 00:33
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コメント

こんにちは。
この展覧会もそろそろ終わりですね。
浮世絵ファンになるきっかけとなりました。
北斎の滝、江戸東京博物館でも見ましたが、
本当にステキでフシギな風景ですね。

Posted by 一村雨 at 2007年02月21日 07:08

一村雨様>
こんばんは。
去年のビゲローコレクションも驚きでしたが、今回も北斎は魅せてくれます。
ビックリ箱のように次から次へと、よくネタが続くものだと感心します。

Posted by mizdesign at 2007年02月22日 02:11
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