2006年12月27日
●出光美術館名品展Ⅱ(後期)
出光美術館で開催された「出光美術館名品展Ⅱ」の後期展を鑑賞しました。「国宝風神雷神図屏風」、「国宝伴大納言絵巻展」と力の入った企画展が続き、混んでいる美術館の印象がありましたが、今回は適度な人の入りで観やすかったです。前期を見逃したのが残念。
入口を入ると左手に長谷川等伯「竹鶴図屏風」がお出迎え。濃淡で描き分ける遠近と竹の質感に等伯の世界を感じます。年明けの「松林図屏風」と合わせれば、年末年始は等伯な気分。続く「江戸名所図屏風」は「江戸の誘惑」を思い起こしつつ市街探索気分で見入ります。
次は「琳派」。伝俵屋宗達「龍虎図」のユーモラスな表情に和み、伝尾形光琳「鹿蒔絵硯箱」の流水紋に意匠の力を感じます。でも今回の白眉は酒井抱一「糸桜・萩図」の品の良さ。糸桜の枝が一本持ち上がる様の繊細な美しさに見惚れました。鈴木其一「四季花木図屏風」の野山に牡丹がニュッと顔を出す、遠近を無視した構図も少々グロテスクで印象的。
そして「浮世絵」。勝川春章「美人鑑賞図」は1枚の絵に複数の一消点パースを重ねて広がりを表現しているのが効果的。葛飾北斎「鍾馗騎獅図」は力感漲る画面が、とても85歳とは思えません。小布施に旅行したのもこの頃。来年は小布施に行かねば。でもそれ以前に承天閣は必須。
本展の副題は「競い合う個性 等伯・琳派・浮世絵・文人画と日本陶磁」。陶磁の知識はありませんが、奈良時代作とされる灰釉短頸壺等も興味深かったです。
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「開館40周年記念 出光美術館名品展II
―競い合う個性―等伯・琳派・浮世絵・文人画と日本陶磁―」に行って来ました。
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出光美術館(千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階)
「開館40周年記念 出光美術館名品展2 競い合う個性 - 等伯・琳派・浮世絵・文人画と日本陶磁 - 」
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こんばんは。
昨夜はどうもです。
感想書いていないことに気がつき
今頃アップしました。
ベスト10は明日にまわします。
「鍾馗騎獅図」観てまた小布施への
想いが一層高まりました。
こんばんは。TBとコメントをありがとうございました。
今回の名品展は仰る通り程よい感じで、
とても良かったですよね。
琳派から陶磁と、様々な名品を楽しめました。
それにしても今年は出光の大当たり年でした。
大納言、風神雷神図、そしてこの名品展と思い出します。
終ってしまうのが名残惜しいですね…。
Tak様>
こんにちは。
「ギョッとする」、「江戸の誘惑」、そしてここと、今年は小布施の存在感が光りましたね。さながら影の主役。
若冲の鳳凰も印象的でしたが、鳳凰でも存在感を示す北斎は流石です。
はろるど様>
こんにちは。
力の入った展示を見せてもらえると、美術館の印象が変わりますね。
今年は私的に出光美術館大躍進の年でした。
いつも大入りだと疲れてしまうので、大型企画展と名品展をバランス良く続けてもらいたいですね。