2006年07月30日
●進化するパン屋さん
早朝ランニングの折り返し点は交差点角のパン屋さんです。少し前に出来たのですが、徒歩圏で三軒目の石釜パン屋さんなことと、交通量の多い道路に面した立地(ちょっと騒々しい)のため、それほど興味を持っていませんでした。でも朝通りかかると、テラス席で朝食をとる人たちで賑わっていて良い感じです。オシャレな街っぽい。
もう一軒のパン屋さんも交差点角にあり、テラス席に賑わいが素敵です。今やパン屋さんは、美味しいパンを焼いて売るだけでなく、街の賑わいに欠かせないモノになっています。進化してるなあ。
2006年07月27日
●94日
昨日、久々の晴天を喜んだら、今朝はまた曇り。ハーフマラソンに向けて走り込みを始めて、毎朝の天気に敏感になりました。マラソン当日まであと94日。3kmちょっとのコースを週の半分ほど走っていますが、もう少しペースアップしたいところです。来週から忙しくなりそうなので、ペースを維持できるかも実は怪しい。。。スケジュール管理の強化が必要です。
2006年07月16日
●若冲と江戸絵画展 販売予想 1-2!
「若冲と江戸絵画展」キャンペーンの一環で、こちらでポストカード販売予想ランキング1位、2位を予想するクイズが開催されています。正解者の中から抽選で1名に、ポストカードフルセットがプレゼントされます。ブログからトラックバックを送れば応募できるので、プログを書いていれば気軽に参加できるお祭りです。
対象となる16種類の一覧はこちら。私の予想はNo.1、No.2のワンツーフィニッシュです。No.1「紫陽花双鶏図」の1位は不動として、問題は2位。No.3の「猛虎図」のユーモラスな感じ、No.12の「鳥獣花木図」の右側全景のワンダーワールドも捨てがたいですが、No.2「鳥獣花木図」象のアップを推します。個人的に、このパタリロ目は外せません。
結果が楽しみです。
2006年07月14日
●没後30年 高島野十郎展
三鷹市美術ギャラリーで開催中の「没後30年 高島野十郎展」を鑑賞しました。柏市増尾にアトリエを構えたという話を聞いて、これは行かねばと思いました。
展示は4章からなります。入口を入ると「青年時代」です。若き日の自画像が並びます。暗いトーンの中、袈裟と鋭い眼光が印象的です。次いで「欧州時代」。ヨーロッパでの風景画が並びます。明るめのトーンに旅先での感動が伝わるようです。そして帰国後の絵画を展示する「慈悲としての写実」。「朝霧」は画面中段に三本の木が描かれています。それぞれの濃淡を書き分けることで、朝の霧を描写し、画面に奥行きを与えています。まるで絵が呼吸しているようです。画題も馴染みある新宿御苑や、奈良の寺々が登場して引き込まれます。中でも「雨 法隆寺塔」は縦に引いた雨線が美しく、ザーッという音が聞こえるようです。その一方で何気ない自然の描写も素晴らしく、「菜の花」の素直で大胆な構図、「流」の水と岩場の表現には目を見張ります。最後が「光を蒔く人」。太陽を描き、月を描き、最後は蝋燭の炎を描いた絵が並びます。写実的な描写と相まって、こんなにも光が描けるものかと驚きます。部屋を暗くし、絵だけに照明を当てて、蝋燭の炎の臨場感を高める演出も効果的です。
空気や光といった、目には見えないモノを意欲的に描く姿勢と、その技術には驚くばかりです。増尾の田と里山の風景がとても新鮮に見えるようになりました。
もうじき始まる「柏市所蔵美術品展」では、高島野十郎の作品を含む10数点が展示されます。場所は中村順二美術館、会期は7/19-7/30です。詳しくはこちらをご覧下さい。
2006年07月11日
●若冲と江戸絵画展 その2
「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」の鑑賞メモです。コレクションの質もさることながら、プライスさんが魅力あると感じた絵画の数々を、その感動をそのまま感じられるよう配慮されている点が非常にユニークです。
展示室に入ると長沢芦雪「猛虎図」が出迎えます。猫をベースに描かれた虎が多い中、筋肉隆々の人をベースにしているようで凛々しいです。第1室Iは「第一章 正統派絵画」から始まります。渡辺始興「鯉魚図」の垂直に滝を登る鯉の勢いある姿、伊年「芥子薊蓮華草図」の鮮やかな赤と描画の巧みさが印象的です。続いて「第二章 京の画家」。円山応挙「赤壁図」で彼の技法の幅広さを感じ、長沢芦雪「牡丹孔雀図屏風」での線の黒さが強調された幾分漫画チックな描画に師応挙との違いを感じます。山口素絢「美人に犬図」は、犬がお気に入りの芸者にじゃれつく大旦那に見えてちょっと困ります。円山応震「麦稲図屏風」は麦と稲、夏と秋、縦と横といった様々な対比と、霞を配して両者をつなぐ構成に、穏やかな中に緊張感が感じられます。最後は長沢芦雪「軍鶏図」のガニマタでのしのしあるく姿に、鶏ですら擬人化する彼のセンスにまいります。
第1室IIは「第三章 エキセントリック」です。伊藤若冲「花鳥人物図屏風」は、疾るような黒墨の勢いで描かれた鳥、巧みな濃淡で描かれた花、卵のように省略された人物が並びます。「鶴図屏風」は、卵のような胴体に鉄筋のような脚、割り箸のような嘴を挿した鶴が並びます。びっくりするくらいに大胆な省略と、巧みな描画が魅力です。そして何かと話題な「鳥獣花木図屏風」。モザイクタイルを敷き詰めたような描法は、三枚しか現存しないという事実からも、その途方もない手間が想像できます。升目に割って描くと面白いかもしれないと思いついちゃったんだろうなあ。作業を担ったであろう弟子たちの悲鳴が聞こえるようです。メルヘンタッチな動物たちと相まって異次元ワールドです。「旭日雄鶏図」、「紫陽花双鶏図」といった若冲ワールドの代表作は、後の「動植綵絵」へのつながりが興味深いです。前者は鶏に鳥の真実を見た若冲が「旭日鳳凰図」へと至る出発点のように思えます。後者は雌鶏のエロ目が後の「梅花群鶴図」へつながり、同名の絵ではなぜを雌鶏が頭を掻いています。「鯉魚図」は若冲版鯉の滝登りですが、横から捉えた構図は空を飛ぶようです。「鷲図」は最晩年の作らしいですが、双翼を高く掲げ、尾翼を垂れた三角構図はいかめしく、波から岩場、木、空へと変幻する背景と対を成して緊張感を漂わせています。
第2室「第4章 江戸の画家」、第3室「第5章 江戸琳派」を経て、第4室Iへ。ここから自然光を模した照明と、ガラスなしの展示が始まります。酒井抱一「柳に白鷺図屏風」の朝になって鳥が飛び立つ感じが素晴らしいです。光の素晴らしさを再認識します。「源氏物語図屏風」からは月明かりの時間も再現され、夜桜の美しさが引き立ちます。狩野柳雪「春日若宮御祭図屏風」は朝になって明るくなると同時に、人々の息吹、喧騒が聞こえるようで鳥肌が立ちました。第4室IIに入って、山口素絢「夏冬白鷺図屏風」の月明かりに輝くような銀画面はとても美しいです。最後は円山応挙「懸崖飛泉図屏風」。霧に霞む深山と密に描かれた水際のコントラストが巧みで、応挙の万能さを改めて知ります。L字型の変則配置と相まって、吸い込まれそうです。黄ばみの全くない保存状態の良さも驚きです。
展示は1階企画展示室にもあり、こちらでは畳に座って絵を観ることができます。この配慮も嬉しいです。
若冲を中心に据えることで、江戸絵画の楽しみがこんなに深まるとは思ってもみませんでした。数珠繋ぎのように連続する企画展と、タイミングを見計らって特集する「美の巨人たち」の相乗効果で若冲フィーバーも最高潮です。この熱病の根底には、若冲の持つ偏執狂的な魅力が、現代の価値観とリンクしていることが大きいと思います。
2006年07月09日
●花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に> 第4期
「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に> 第4期」を鑑賞しました。上野で開催中のプライス展に合わせるかのように、今期は非常に華やかです。続けて観れば、面白さが倍増します。
入口を入って右手には、酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」がズラリと並びます。巧みな濃淡と優美な描線にうっとりと魅入ります。上野では同じく抱一の「十二か月花鳥図」が自然光を再現した照明の下、ガラスなしで公開されており、抱一ファンには堪らない揃い踏みとなっています。
左手には若冲ワールドが広がります。まずは「旭日鳳凰図」。朝日の下、極彩色の鳳凰が、大きく翼を広げています。第3期「百鳥図」の鳳凰の姿をベースに、鶏、鶴、孔雀等の観察を通して学んだ精気漲るディテール。精密で華麗な世界は、若冲ワールドの看板作に相応しいです。上野で展示中の「旭日雄鶏図」と見比べると、観察から始まり、独自の世界へと昇華する過程が想像できて興味深いです。続いて「動植綵絵」の「老松白凰図」が登場します。暗めの老松を背景に、白い鳳凰が大きく翼を広げています。レース地のように精緻な羽毛の描画が美しいです。尾羽は華麗に宙を舞い、その先の赤いハートマークがとても愛らしいです。華麗な花鳥画の頂点に立つ一枚だと思います。続く「向日葵雄鶏図」、「大鶏雌雄図」、「群鶏図」の三枚は、若冲の代名詞とも言うべき鶏描写のオンパレードです。特に騙し絵的な「群鶏図」が面白いです。最後は「池辺郡中図」、「貝甲図」と小さな生物の集合絵が続きます。写実的な描画が冴える図鑑的な面白さで幕です。
奇想の画家若冲の中でも、美麗な部分を全面に押し出した回です。全5回の中で1回だけ挙げるとすれば、この回を推します。
2006年07月07日
●若冲と江戸絵画展 その1
上野の東京国立博物館平成館で開催中の「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」を鑑賞しました。明日も鑑賞するので、今回は二点だけ。
第三章「エキセントリック」に入った瞬間、目を見開きました。線が疾る!「花鳥人物図屏風」における若冲の変幻自在の筆遣いに、12枚の絵の中を黒墨が疾走するような錯覚を覚えます。明らかにここから展示のトーンが変わります。左を向くと「鳥獣花木図屏風」が控えています。
第4室Iで「春日若宮御祭図屏風」を照らす光が夜から朝へと移ったとき、図中の人々の息吹、喧騒が聞こえてくるようで、鳥肌が立ちました。ガラスを取り払った展示と、自然光を再現する照明が、絵に命を吹き込みます。今まで観てきたモノは何だったのだ?
質、量、そして展示方法。この展示は必見です。8/27までの開催です。
2006年07月04日
●手賀沼エコマラソン
手賀沼エコマラソンは手賀沼を周回するハーフマラソンです。毎年10月の最終日曜日に開催され、今年で12回目になります。元々は手賀沼浄化と地域の活性化を願って発足したそうですが、現在では都内からの利便性とイベント面の充実で人気が高いそうです。
去年から旧沼南町の農家におじゃましたり、手賀沼遊歩道を自転車で走ったりするようになって手賀沼周辺への関心が高まったこともあり、参加してみることにしました。
参加手続きはインターネットで申し込んで、費用をコンビニで振り込んで簡単に終わります。大切なのは体の準備です。制限時間2時間30分以内で21kmちょっとを完走する必要があるので、計画的な体力づくりが必須です。月間40~50kmを目標に走り込むようにとパンフレットにあるので、1~2kmずつ早朝こまめに走って、月に1、2回10km程度走るのが良いかと大まかな計画を立ててみます。さてどうなるでしょうか。
手賀沼沿いの眺め。水面の向こう、里山のふもとに民家をいだく昔ながらの景色
里山を超えて姿を現す市街地。スカイラインと色彩くらいは条例で規制できないものか。。。
2006年07月02日
●もやしもん
「もやしもん」が面白いです。菌を見る力のある大学生の主人公が、強烈な個性を持つ教授や院生や学部生たちに囲まれて展開する某農大を舞台にしたキャンパス漫画です。が、本当の主役はかわいく擬人化?された菌たち。ピンポン玉のような菌たちが「かもすぞ」とワラワラと画面を漂う絵を本屋さんで見た人も多いのでは。
副題は農大物語、英名は「Tales of Agriculture」。作者の石川雅之さんの緻密な話作りと細かく描き込まれた絵柄と相まって、何度も読み返してしまいます。コメディ調の展開を追ううちに、人間と菌の切っても切れない関係、切れないなら仲良く付き合おう、堪らなく美味しそうな日本酒というふうに興味が広がります。菌が跋扈する世界を描くことでこんなに面白い世界が開けることをイメージできた作者の構想力と、それを伝えようとする努力が凄いなあと思います。
建築好きとしては、校舎を改装して発酵蔵を作るくだりが好きです。湿気への配慮からコンクリートと木の壁材としての適不適を盛り込んだり、密閉度の高い住宅の欠点に触れたり。巨大ステンレス流しに水勾配を付け忘れる部分は、さすがにそれはないだろうと思いましたが。せっかくの一枚モノのステンレス鏡面仕上を、わけあってスチールたわし磨き仕上に変更するエピソードは笑えます。
もやしもんの欄外には、菌一つ一つのプロフィールが掲載されています。単体だと読み飛ばすだけですが、本編中の彼らの活躍?と合わせて読むと面白さが倍増します。モノの性質や仕組から話を組み立てることは、結果重視の今日では軽視されがちな部分ですが、切り方と見せ方でいくらでも上手く伝えられるという好例だと思います。農業が一区切りついたら、建築の世界も切ってもらいたいものです。