2006年06月06日

●花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に> 第3期

 「花鳥-愛でる心、彩る技 第3期」を鑑賞しました。今回は、若冲が熱心に模写して学んだという中国絵画が並んでいます。中でも目を引くのが「百鳥図」です。鳳凰を中心に、「動植綵絵」でおなじみの鳥たちが大集合しています。鳳凰の特徴ある容姿と色彩の類似性は、若冲のネタ帳か?と思うほどです。これらを下敷きにして、あの豊かな表情と見栄きりポーズの若冲ワールドが出現するのかと想像がめぐります。

 「動植綵絵」は比較的おとなしめな作品が並びます。その中で異彩を放つのが「紫陽花双鶏図」。緻密な描画と華麗な色彩、凄みのあるポーズとりと三拍子揃った若冲ワールドの決定版のような一枚です。紫陽花が空を覆っていたり、羽に水滴のような模様があったり、鶏が頭を掻いていたりと不思議要素もテンコ盛りです。何度も見返してしまいます。

 見比べという点では「竹粟に鶉雀図」と若冲「秋塘群雀図」も興味深いです。題材に共通点が多いですが、絵の印象は全く違います。スタンプ押しのような飛行形の雀、塘の穂に群がる様々な姿勢をとる雀。一羽混じる白雀。やはり若冲のアレンジは面白いです。

 湿度低めで過ごしやすい日でした。展示もおとなしめに思えました。
tokyo_20060604-1.jpg

Posted by mizdesign at 2006年06月06日 08:27
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Tracked on 2006年06月25日 22:59
コメント

こんばんは。
TBありがとうございました。

紫陽花は良かったですね~
本物を観るまではあんなに
素晴らしい作品だと思いませんでした。

若冲は何気に青色の使い方上手いですよね。
青好きにはたまりません。

Posted by Tak at 2006年06月06日 22:38

Tak様>
 こんばんは。
 なるほど青ですか。菊花流水図の青も印象的でしたね。老松孔雀図の青が今から楽しみです。応挙の孔雀と並ぶので、5期は「青」揃い踏みですね。

Posted by mizdesign at 2006年06月07日 20:25

こんにちは。
どうにか私も行ってきました〜。
コピーで増やしたような雀たち、おもしろかったですね。
そのうち感想書きたいと思います。

Posted by tsukinoha at 2006年06月14日 12:27

tsukinoha様>
 こんにちはー。
 「動植綵絵」もとうとう半分を越えましたね。嬉しいような寂しいような。7月に入ればプライス展も始まって、若冲フィーバーも最高潮へ。紫陽花双鶏図の見比べや、鳥獣花木図屏風等々、尚蔵館-東博平成館の巡回が今から楽しみです。

 感想楽しみにしてます!

Posted by mizdesign at 2006年06月14日 19:31

こんばんは。

「百鳥図」は良かったですよね。
私も今回はこれが一推し作品です。
若冲の鳳凰の表情はやはりここから借りたのでしょうか?

>不思議要素もテンコ盛り

水玉には驚きました。
しかも立体的で…。一体何の模様なのでしょうね。

一気に蒸し暑くなってきましたが、
いよいよ第4期、5期と、東博若冲展ですね!
楽しみです!

Posted by はろるど at 2006年06月25日 23:10

はろるど様>
 こんにちは。コメントとTBありがとうございます。

>若冲の鳳凰の表情はやはりここから借りたのでしょうか?

 借りるというよりも、絵を通して鳳凰を知り、自分のモノにしたのでしょうね。
 絵師は異なりますが、プライス展ブログでは虎の毛皮から想像して虎の絵を描く話が紹介されていたので、こちらも楽しみです。

 プライス展と4期、5期を考えると、ここが丁度折り返し点。江戸絵画の楽しみが深まる半年ですよね!

Posted by mizdesign at 2006年06月27日 10:17
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