2006年05月08日
●表参道ヒルズ
表参道ヒルズは、その前身となる同潤会青山アパートの竣工から約80年を経て建替えられた再開発プロジェクトです。設計は森ビル+安藤忠雄建築研究所、竣工は2006年1月です。計画のポイントは、建物の半分を地下に沈め、建物壁面を上下(商業と居住)で分割することで青山アパートのスカイラインを残し、ケヤキ並木の街路空間を維持していることです。さらに青山アパートの一部を復元する等、「過去の継承」にとても配慮されています。それに加えて、吹抜けに面した6層スロープによる「新しい価値を付加」しています。言葉でいうと簡単ですが、その実現は驚異です。建替計画のあり方として、最高の回答の一つだと思います。
関東大震災後の復興計画として出現し、耐震性、耐火性に配慮され、計画面でも先進性のある同潤会アパートも大半が姿を消しました。30年で過去のイコンと化す現状を見ていると、70-80年持った同潤会は優れた計画だったと思います。
維持された街路空間。この時点で計画は半分成功だと思います。
吹抜に面した6層スロープ。シームレスにつながる立体街路の効果は絶大で、GWのもの凄い人出を、蟻地獄の如く吸い込みます。
スロープの眺め。文字通りの立体街路です。緩やかな勾配が連続するので、自然と足が動きます。車椅子の方が通行されていて、そういえばバリアフリー空間であることを思い出しました。空間のスケールと人出に圧倒されて、そこまで頭が回りませんでした。
復元された青山アパートの一部と、そのスカイラインを連続するガラスのファサード。まだ違和感がありますが、時間の経過と共に馴染んでくるでしょう。
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