2006年05月08日

●燕子花図と藤花図

 先日「燕子花図と藤花図」展を鑑賞しました。根津美術館は今日から3年半、改築のため休館なので、その見納め展示です。

 ガランとした室内に屏風だけを並べる構成は、展覧会というよりも四季の眺めを楽しむお祭りの気分です。「吉野龍田図」の春・秋、尾形光琳「夏草図」の夏、「蹴鞠図」の春を経て、7ヵ月ぶりに尾形光琳「燕子花図」と再会します。季節は夏、水辺と八橋すら省略した構図と、金地に青緑の色彩。大胆な絵だなと思います。せっかく空いた室内なので、真ん中に畳を敷いて座敷から四周を眺める形で鑑賞できれば、なお良かった。狩野宗信「桜下麝香猫図」の春を経て、円山応挙「藤花図」へ。初夏の快晴の日、季節感ピッタリのこの絵が今回の主役だと思います。金地に薄墨の枝が這い、細密で色鮮やかな藤花が垂れる。写実をベースに装飾性を加味した絵は、品良く親しみやすさ抜群です。鶴沢探鯨「草花図」を経て、鈴木其一「夏秋山水図」の夏・秋で一巡です。
 一巡したら、真ん中の椅子に座って四周を見回してみます。座敷に立てて眺めたらこんな感じかなと想像しつつ、のんびりと眺めます。四季の屏風に囲まれたその先には、どんな景色を観ていたのだろうか。きっと絵に負けない佳景が広がっていたのだろうな。立地も庭園も申し分ない根津美術館です、新館への期待が高まります。

 庭園には杜若。(花菖蒲かも)
aoyama_20060503-2.jpg

 そして藤花。しばしのお別れです。
aoyama_20060503-1.jpg

Posted by mizdesign at 2006年05月08日 09:21
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Tracked on 2006年05月08日 23:00

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Tracked on 2006年05月09日 00:35
コメント

残念ながら・・
首を長くして待つ事にしました。
庭の花菖蒲に藤が見事ですね。

それにしてもmizdesignさん、今日はすごいいきおいです。

Posted by tsukinoha at 2006年05月08日 21:05

>それにしてもmizdesignさん、今日はすごいいきおいです。
同感です。

この勢いで
カルティエも!!

TBありがとうございました。

Posted by Tak at 2006年05月08日 23:01

こんばんは。
根津美術館の庭園は今回初めて行ったのですが、
花菖蒲に藤に楽しめました。
お写真素敵ですね!藤の美しいこと!

改築後の建物もまた楽しみですね。
四年後が待ち遠しいです。

Posted by はろるど at 2006年05月09日 01:12

tsukinoha様>
 今回は展示としては大味だと思っていたら、庭園で藤花、花菖蒲の連続に感動しました。素晴らしいフィナーレでした。新館は和室展示室が欲しいですね。

 勢いは。。。仕事が細切れになったので、その合間にメモを一気に仕上げたわけですね(笑)。

Tak様>
 カルティエ、楽しみにしてます。5/21以降は、6/3を除いて空いてますので、誘って下さい。

ハロルド様>
 藤花図も実際の藤も綺麗でしたね。季節の勝利でしょう。梅雨に入れば燕子花と花菖蒲に軍配が上がったろうに、燕子花ファンとしてはちょっと残念です。

 改築は隈さんの設計なので、実は期待半分、不安半分。トリックスターな所があるので、うけは良くても長い目でみて?にならないか心配。。。

Posted by mizdesign at 2006年05月09日 08:15
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