2006年04月18日

●その時代の未来

 建築には「その時代の未来」を体現する巨大なハードウェアという側面があります。30年の時間差を経て対峙する「中銀カプセルタワービル」と「電通本社ビル」の眺めは色々と興味深いです。

 双方とも時代を代表する名建築ですが、その思想は大きく異なります。大地を空へと拡張し、新陳代謝をも具現化しようとする前者と、膨大なボリュームをスマートに消去する後者。そこには成長期から成熟期へと急速に移行する時流が反映されています。

 驚くべきは、前者が既に時代のイコンのような存在になっていること。人間だったらようやく仕事を覚えて、さあこれからというあたり。えっ、建物の寿命ってそんなに短いの?と改めて思います。
shiodome_20060415-1.jpg

Posted by mizdesign at 2006年04月18日 09:04
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コメント

アスベスト問題でも注目を浴びているカプセルタワーは、いろいろな意味で考えさせられます。生活をカプセルに込める思想は、はたして未来的だったのか?などなど。

電通本社ビルなどの辺りは、ほんとうにビックリです。本城さんの写真を見ているような気分です。逆説の逆説状態です。

Posted by 佐藤K(KAZZ Satoh) at 2006年04月20日 12:43

佐藤K様>
 少なくともこの建物は30年持ったので、「その時代の未来」としては概ね正しかったのではないでしょうか。都庁舎が雨漏りで補修もままならないという話を聞くと泣けてきます。

 本城さんといえば、今朝の朝日新聞のXbox360の全面広告に写真が使われていました。クレジット表記はなかったですが、独特のミニチュア表現なので間違いないかと。写真集も出るそうですね。

Posted by mizdesign at 2006年04月20日 15:08
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