2005年12月01日
●室生寺 1992
12月になりました。暖冬といいつつも、朝夕の冷え込みが厳しくなってきます。気分がキュッと締まるので、考え事をするのに良い季節だと思います。そんなわけで冬の景色をいくつか紹介します。
「景観の構造」(樋口忠彦著 技報堂)によると、室生の地は「八葉蓮華型」に分類されます。深山の奥、山に囲まれた地形を仏教の理想郷に見立てる訳です。同型に高野山が上げられており、女性に門戸を開いたことから「女人高野」と称されるのも説得力のある話です。写真家土門拳さんが雪景を撮ろうと仮病を使って入院するエピソードも有名です。
そんな室生寺が観たくて、冬の奈良に出かけました。日付は1992年2月5日。地元の民宿に前泊して、早朝の散歩に出かけたときの景色です。霜が降りて白くなった、太鼓橋の踏板と表門の屋根。真言密教の道場らしい厳しくも美しい瞬間でした。金堂、五重塔と廻ったところで空が明るくなり、あっという間に霜は消えました。
Posted by mizdesign at 2005年12月01日 14:18
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