2005年09月29日
●建物の中の広場 in 代官山
昨日の朝は用事があって代官山に寄りました。少し時間が空いたので、いつもと違うアングルからパチリ。
建物の中に公共のスペースを設け、そこに面してショップが配置されています。二層吹抜にガラスの箱が浮かぶ美しさは、竣工から36年を経て健在です。公共スペースの導入は今では珍しくありませんが、小規模の建物でありながら街路と一体の空間を作るという点でとても優れています。テナントさんからは二重のガラス箱の分お客さんが入りにくいのでは?という改善要望も出るそうですが、この空間が在るからこそ代官山は他とは違う街であり続けているのだと思います。まちづくりは一日にしてならずです。
2005年09月28日
●オープンカフェテスト中 in 新宿
今日は新宿で打合せでした。昼食後に歩いていたら、ケヤキ並木に赤い傘が並んだ一角があります。なんかかっこいいぞと思って近づくと、オープンカフェの実験中でした。区のイメージアップと賑い再生のために区道を開放しているそうで、バーニーズニューヨークの開店15周年企画とのタイアップ効果もあって見た目はとてもオシャレです。
とはいえやっぱり新宿、それも歌舞伎町の近く。キャッチのお兄さんがひっきりなしに声をかけ、区の職員さん?が大声で街の美化をうったえ、ホームレスっぽい人が腰かけています。はっきりいって、全然落ち着きません。まちづくりは一日にしてならずです。
でも、区の柔軟な姿勢や、バーニーズのブランドイメージを活かした仕掛けからはとても可能性を感じます。まずは型から入り、継続することでいつか本物に化けることもあるでしょう。
2005年09月13日
●代々木国立屋内総合競技場
コンクリートの彫塑的な造形と鋼のケーブルで屋根を吊るダイナミックさで、強烈に記憶に残る近代建築の傑作です。設計は丹下健三・都市・建築設計研究所、竣工は1964年です。先日、渋谷区役所に行く際に久しぶりに通りかかりました。伝統的な形を踏まえつつ、それにうねりを加えたような大屋根の迫力に目を奪われました。駐車場側から見るとそのうねり具合が良く分かります。
翌朝ニュースをチェックしていると、女子バスケットWリーグ開幕戦の結果が載っていました。柏に本拠を置くJOMOサンフラワーズは昨期優勝のシャンソン化粧品に快勝、会場は代々木第2体育館。写真の建物の隣です。全然気がつきませんでした。
2005年09月10日
●B-TOWN代官山
表通りから少し奥まった、住宅地の中にある商業施設です。路地を「内部化された外部空間」として仕上げ、それに面してガラス張りのショップが並んでいます。オープンは2003年2月。若者向け人気スポットの創出と、住宅地の中という立地を上手く両立した計画だと思います。
道路から見たところです。幅広の通り抜け路地が奥へ奥へと誘います。
ウッドデッキ、ベンチ、植栽、ガラス壁で構成された「内部化された外部空間」。素材感を活かした、居心地の良い空間です。とても自然にショップへと連続しています。さりげなく置かれたバイクが「ちょっと立ち寄る」感覚を演出して上手い!
●渋谷区総合庁舎
一昨日に、5月半ばから携わっている大規模改装の仕事が一山越えました。土壇場で大きな変更が出たので、ここ二週間ほど仕事の合間に寝るような感覚でした。昨日は、気分転換に調査と物見遊山を兼ねて歩き回っていました。次の山に登り始めつつ、別件で小山を二つほど登ります。
そんなわけで渋谷区総合庁舎です。1964年竣工の横にながーい計画です。何度かの改装を経て現在に至っています。今回行って面白かったのは、ちょっとした工夫で格段に親しみやすい空間を作っている点です。
入口廻りです。エントランス横にドトールがあります。外からも中からも利用できるので、役所の敷居を低く感じます。オフィスビルではよく見ますが、役所にあると新鮮です。
エレベーターホールからバルコニーを見たところです。バルコニーは喫煙スペースとして開放されています。先日の目黒区総合庁舎はバルコニーには出られなかったので、出られるとちょっと嬉しい。ホールには机が並べてあって、来訪者が自由に使えます。建物は古いですが、けっこう居心地が良いです。
2005年09月07日
●北斎はブームかジャンルか?
太田記念美術館で9/1-9/25まで「全揃い冨嶽三十六景展」が開催されています。東京国立博物館平成館では10/25-12/4まで「北斎展」が開催予定です。前者は浮世絵専門館ならではの落着きの中、細部までじっくりと鑑賞できるのが魅力です。後者は北斎作品500点を一堂に会する決定版を謳っています。北斎人気、ひいては浮世絵人気の高さが伺えます。
浮世絵、特に北斎と広重に関して面白いと思うのは、絵を鑑賞することが過去を回顧することにとどまらず、現代につながる何かを感じさせてくれるところです。広重を題材に景観を考えることもその一例でしょう。絵の構図、色彩等が魅力の大元であることに変わりはないのですが、時間の経過とともに様々な視点が付与され、それらが絵の世界を広げていると思います。だからこそ、こんなにも根強い人気があるのでしょう。
1995年10月10日-11月12日まで開催された「葛飾北斎展」の図録表紙です。「江戸のメディア」という切り口が新鮮で面白かったです。江戸時代にあって絵手本(その名も「北斎漫画」)に精力的に取り組んだ北斎です。現代のCGによる素材のデータ-ベース化とマンガブームを目にすれば「俺の時代がやってきた」と狂喜するのではないでしょうか。
2005年09月04日
●つくばエクスプレス@守谷-流山おおたかの森
昨日は用事があって守谷まで行きました。つくばエクスプレス初乗車です。東武野田線との接続は良好で、つくば方面への足は格段に良くなりました。その反面、車内はガラガラで沿線開発の遅れも実感できました。
守谷駅前です。右がつくばエクスプレス、奥が関東鉄道のホームです。本線の開通でもっとも利便性が向上した地域でしょう。快速停車駅で、秋葉原まで32分!東京駅までの所要時間は柏駅からとほぼ同じです。本線の開通を見越して住宅を購入していた方達にとっては、本当に待望の開通でしょう。地価は上昇傾向にあるとはいえ、柏と比べて7割ちょっとという感じだそうです。坪単価で15万円の価格差と仮定すると、40坪の土地で600万円の差になる計算です。駅前開発が周辺駅と比べれば進んでいることもあり、東京通勤圏で戸建住宅を検討する際の有力な選択肢となりそうです。
柏たなか駅前です。小さなロータリーが開通して何とか駅までアクセスできますという程度です。普通しか停まらないこともあり、近隣の方たちの利便性向上がメインで、駅前開発はあまり盛り上っていないみたいです。
柏の葉キャンパス駅前です。大学、病院、スポーツ、文化施設の集積度は沿線でも群を抜きます。駅前に巨大な複合商業施設の建設が決まっており、平行して高級宅地開発も計画中です。とはいえ完成するのは来年秋以降の話。開業に合わせて駅前開発を進めたつくば、秋葉原に比べると明らかに遅れをとっています。二大拠点に割って入れるかは、今後の巻き返しにかかっています。まずは快速停車駅に昇格して欲しいです。
流山おおたかの森駅前です。東武野田線との接続駅なので快速停車駅ですが、駅前開発は全然進んでいません。速やかに宅地整理を進めてかつ価格的なメリットを打ち出せれば利便性の高い良好な住宅地になる可能性がある?