2005年08月30日
●住宅はハコか環境か
住宅地を歩くと、圧倒的に箱型住宅が多いことが気になります。四角い外形に設備スペースを一ヶ所にまとめた箱型プランは、外壁面積や設備配管等が最小限に抑えられる分、コスト面で有利と言われています。確かに一理あります。しかしそれは一つの側面に過ぎません。中庭型は外壁面積は増えますが、外部空間もプライベートな場所として使えるので実面積以上に広がりのある空間が得られます。
発想は豊かに、気持ちはおおらかに、財布の紐はしっかりと握って、できれば予算に少しゆとりを持って。それが家作りを楽しむコツだと思います。
最近作った中庭型の提案です。駐車場と物置でゲートを形成して、お金をかけずに囲むところがミソです。
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一軒家の思想を改革しないといけませんね。なぜ、町家型あるいは、町家的な住宅が、都市で一般解にならなかったのか。
結局、夏目漱石の家(あるいは森鴎外の家)みたいのが、都市住宅のプロトタイプなのでしょうね。
最小限敷地の建売住宅群をみていると、そこで育つであろう子供たちの将来に興味を覚えます。
佐藤K様>
住宅の供給数で見ると、ハウスメーカーが圧倒的で、設計事務所というのは取るに足りない存在です。この点では、ハウスメーカーの商品=住宅イメージという状態に限りなく近いです。
最近は、インターネットの普及と、テレビ、雑誌での住宅特集が定番になったおかげで、設計事務所との家作りがイメージ的に広く、実数としても多少拡大しつつあると実感しています。
ここで注意が必要なのは、新たなイメージメーカーが誰なのかというところ。せっかくの機会なので、設計事務所側からどんどんイメージを発信していくことが大切だと思うのですが、実際には建築主さんと設計事務所の間に入る方々(各種ひっくるめてプロデュース屋さんとでも呼べば良いのかな?)の方がずっと熱心です。
1960年代の都市計画百花繚乱状態、建築が世界を作る幻想をテキストに学んだ僕にとって、設計事務所を包む現状は、もう一頑張りしないとダメだなと感じます。
おっしゃる通りだと思います。
インターネットでコンペを仕掛ける方々、中年男性向けの雑誌の方々、テレビ局の方々などの頑張りのおかげで、設計事務所が社会的に認知されたことは間違いないと思います。
では、なぜ、設計をしている人々は上手くできないのでしょうか?専門雑誌を賑わす一部の論客(有名建築家)に委ねていればいい、と、多くの設計者が思っているのでしょうか?
近年は、自ら発信に尽力する設計者も増えてきました。いい傾向にあると思います。たぶん、これからだと思います。
でも、この路線でいいのか?という疑問は付いて回ります。だから、ブログをしてる訳ですが、自分で自分を探るしかありません。今のところ。
ぼちぼち頑張っていきましょう。
専門家同士のお話っておもしろ~い。
水上さんの家、独創的で、暮らしやすそう。こないだのも素敵だった。
中庭的空間、いいですね。
フランスW杯の時にフランスに行きました。
例のチケット騒ぎで予定が変わってしまって、友達にお任せの団体旅行のはずが、急な個人旅行になってしまったので、宿も予約しないままで行ったんだけど、古い小さな町を歩いていて「良いな」と思った家に近づいてみたらホテルで、値段も安かった(2000円くらい)だったので泊まりたいと言って入ってみたら、なんと中庭のある宿でした。
全ての部屋が中庭に面していて。とてもとても、素敵でした。
部屋はとても小さくて、ベッドだけでいっぱいな感じだったんだけど、11時まで明るいせいもあって、ほとんどホテルにいる時間は中庭で過ごしていたので、ちっとも気にならなかった。
老夫妻とか、高校生くらいの女の子二人組とかが、同じように中庭でのんびり楽しそうに会話を楽しんでいたりして、とても豊かだと感じました。
結局、そこにいた3日間は、ずっとそこで暮らしちゃった。
あ、思い出話書いてたら、長くなっちゃった。もう長すぎ?
わたしも、blog始めようかな。
佐藤K様>
大雑把にいうと、設計自体は専門職の側面が強いのに対して、ヴィジョンを示すのはエンターテイナーとしての才覚が求められるってことでしょうか。必要性を感じている設計者は多いと思いますが、それを体現できるかは別の話です。
ここ数年色々と試し、物知りになってきて、仮の概論とそれに続く実践編を積み重ねるというサイクルを意識しています。
仮面チャリダーM様>
日本の人は他所から持ってきたものを器用に折衷しつつ生活に取り込みます。それが元々の良さを見失っていないかという迷いにもつながります。
器用さには自信を持って、選択肢をしっかりと踏まえて、何を選ぶかはじっくりと考えて、モノを作っていきたいと思うわけです。