2005年08月01日
●珪藻土
手元のサンプル整理を兼ねて、建築素材を紹介します。
珪藻土は壁、天井の仕上材として人気の高い素材です。調湿、脱臭等の機能、自然素材であること、味わいのある質感等がその理由です。費用面では通常のクロスやペンキ塗りに比べるとかなり割高になりますが、落着きのある雰囲気、梅雨でもべたつかない室内等、心地良さも格別です。
珪藻土というのは植物性プランクトンが堆積したもので、その超多孔質構造が効果の秘密です。ただそれだけでは固まらないので、商品として売っているものには混ぜ物がしてあります。ここにメーカーごとの個性が現れます。全て自然素材にこだわるところ、ひび割れをいかに防ぐかに腐心するところ、塗りやすさと価格を優先するところ等。実際に使用する際には、組成、実績等も踏まえて選んだ方が良いです。
珪藻土の色及び仕上バリエーションです。LDKへの使用検討だったので、白っぽい色のみサンプルを取寄せました。中段の三色が標準色、上段は中央の色と同色で仕上違い、下段は中段の左二つの間の特注色です。最終的には現場に置いてみて決めました。
同色の仕上違いのアップです。コテで表情をつけられるのが魅力ですが、洋室であればフラット仕上(左下)が落ち着いて良いかと思います。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/140
これは、左官仕上げですか?
実際、効果はどうですか?使ったことがないので、教えていただければ有難いです。
ある人(金沢に住む住宅専門の設計者)によると、下地にどれだけ通気などの気を配っているかが問題だ。と、言っていました。
佐藤K様>
左官仕上げです。
建物自体の通気性は、透湿防水紙と外装材の間に通気層を設けて確保しています。ここでいう調湿効果はプラスアルファ的な意味合いです。この点を踏まえた上で言うと、やはり効果はあると思います。居心地良いですよ。
本文にも書きましたが、商品としての珪藻土は「珪藻土を含んだ左官材」くらいの意味で捉える必要があります。中身はバラバラです。ポイントは塗り手間と塗り厚。普通は下地処理の上で下塗りと上塗り、DIY用だと既存クロスの上から一回塗りでOKとかあります。塗り厚は下地+仕上で6mmのもあれば、一回塗りで1-2mmを謳うものもあります。ボードへの喰い付き、ひび割れ防止等を考えると、商品そのものの信用にも響きかねない大きな問題です。これに限らず、比較基準を明示しないのは、建材業界の根本的な体質でしょうか。