2005年05月04日
●桜が創った「日本」 -ソメイヨシノ起源への旅- (佐藤俊樹著 岩波新書)
ピンクの小山に浮かれた頃、こちらにお邪魔してソメイヨシノを巡る諸説を交わし、実際はどうなんだと思った際に本屋で見かけた一冊です。私にしては珍しくタイトル買いしました。
文献や絵画の分析を通して、桜にまつわる様々なキーワードを網羅しつつソメイヨシノの広がる過程を探る前半はとても面白く読みました。「ピンク一色に染まる桜のイメージが先にあり、それを体現したのがソメイヨシノではないか」という大胆な仮説が提示されるあたりで期待感は最高潮です。ところが後半に入って、「歴史は創られる論」が前面に出てくるあたりから興味が薄れました。ここらへんが著者の方の専門分野なのかもしれませんが、主役は桜のままにして欲しかったです。文体に混乱があることも影響したかもしれません。
桜を鑑賞する上での良い副読本だと思いますが、個人的にはタイトル負けしていると思いました。
Posted by mizdesign at 2005年05月04日 01:10
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コメント
トラックバック、ありがとうございます。
ソメイヨシノと「歴史は創られる」論は、内容の違いはあるにしても、これまで何人かの著作で書かれてきたことですね。そう考えると、おっしゃるように、桜をドーンと主役に置いたものを読みたくなります。たしかに。
Posted by 本読人 at 2005年05月04日 09:20
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