2005年05月06日
●新宿中央公園雨中之桜 1991
浮世絵と同じ視点で今を観るとどんな感じだろうと思って、それに相応しい場面を探し歩いた時期があります。14年くらい前の「今」なので、すでに過去のことですが。
一つ目はちょっと変わった取り合せから。新宿中央公園で、桜の季節に霧の立ち込める中、都庁舎を眺めています。合成した方が早いんじゃないかと思うような場面ですが、雨のぱらつく中でかけました。日付は1991年4月5日。レトロSFっぽい?
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昨晩は、遅くまでありがとうございました。シンドイけど楽しい話が咲いたと、個人的には喜んでいます。
ところで、都庁が美しく見えるシーンのひとつ、だと思いました。でも、建物が醸し出す尊大な雰囲気は、なかなか霞みにくい。と、思ってしまうのは、偏見でしょうか。
多分、それは偏見でなく現実です。高さ243mの超高層ですから。濃霧で建物が霞んだと思ったら、今度はライトアップの照明が2つの塔から空へと伸びて、神殿のようでした。社寺建築の大屋根を権力の象徴と捉えると、この見えがかりも正しいのかもしれません。でも直感的に過去だと思うのはなんでだろう。
確かに、神殿や教会、社寺が信仰の象徴というより、権力の象徴という本音を表現していると考えるならば、都庁の「過去」さが読める。と、思いました。
設計の考え方が「過去」なのではないでしょうか。建築におけるポストモダンは、「過去」の設計思考を蘇らせたのかもしれません。
宗教が虚ろになってきた今の日本では、政府(あるいは行政)が宗教のある部分をになっているように思うことがあります。そのせいか都庁が神殿や教会のように見えることに、違和感を感じていませんでした。お二人のコメントを読んで、「権力」という視点からも考え直してみようと思い始めました。
ところで、この写真、普通に売れそうな感じがします。