2005年05月10日

●代官山富士之景 1999

 浮世絵の視点から見る「今」の二枚目です。一枚目はこちら
 東京には「かつて富士山が見えた」という場所が多くありますが、代官山には今でも見える場所がいくつかあります。街中から富士山が見える光景は、それだけで江戸と今が地続きであることを強く感じさせてくれます。
 写真はヒルサイドテラスB棟から撮っています。仕事の関係で昔の勤め先に通っていました。日付は1999年3月22日。手前の瓦屋根は旧朝倉邸(当時は渋谷会議所)です。ヒルサイドテラスのA・B棟が完成したのは1969年。当時は周辺に瓦屋根の家並みが残っていたそうですが、今ではすっかり建て変わり、ここが最後の大屋根ではないでしょうか。
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 同じ場所から撮った夕景です。高雄の山並みの上にスッと立ち上がる富士山のシルエットはとても美しいです。空気の澄んだ日にしか見えませんが、それでけでありがたみがあります。日付は1999年2月4日。右側の木が育ってきて年々見えにくくなっていましたが、今はどうなっているのだろう。
daikanyama_990204-1.jpg

Posted by mizdesign at 2005年05月10日 06:57
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コメント

江戸という場所は、まったくありがたいところで、富士山と筑波山がクッキリ見えます。しかも、だいたい同じ大きさなところがニクイ。
 30年早く、眺望景観という言葉が出回っていれば、代官山のような景色が多く残ったことでしょう。合唱、でなく合掌。
 富士山といえば、ぼくにとっては、常磐線から見る富士山が印象深いです。荒川界隈の下町が近景にある庶民派な風景です。

Posted by 佐藤K(KAZZ Satoh) at 2005年05月10日 12:07

こんにちは。
前回の要塞のような新宿も素敵でしたが、楽しみなシリーズです。
関東のあちこちに「富士見」という地名が多いのがなごりですよね。
1999年当時は代官山地区で働いていました。どこかですれ違っていたりして。

Posted by tsukinoha at 2005年05月11日 05:30

佐藤K様>そして「お話」は上へと続くのですよ。「景観」を語る上で常について回る「表と裏」です。やっかいなトリックをスパッと切ってしまう槙さんは凄いです。
tsukinoha様>「要塞」の例えはいいですね。日中の写真もあるのですが、「絶望の壁」とでも名付けようかと思ってしまいます。大きすぎる対象を1つの平面の中に塗り込めるのは、広重も三島とかで使っていますね。霧は便利です。写真の場合は出るまで待つので、その間が間抜けですが。

Posted by mizdesign at 2005年05月11日 13:37
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